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自己破産以外の債務整理
特定調停

特定調停について

 特定調停とは、債務の支払いが滞り現状のままだと支払い不能に陥る可能性がある債務者が「簡易裁判所に任意整理を依頼する」手続きであり、平成12年に施行された比較的新しい調停手続きです。
 簡易裁判所が選任する調停委員が、申立人(債務者)と債権者との間にたち、債務を利息制限法に基づいた金利に引き直し算出後、債務者が債務を3年間を目処とした分割払いで返済できる債務整理案を作成し、債権者と和解協議を行います。申立は債務者自身が簡易裁判所に申立てでき、債権者一覧表などの書類の書類を提出する必要がありますが、手続きは比較的容易であり専門家に依頼しなくても良いため費用も安く済みます。
 しかし、特定調停成立時に作成される調停調書は債権者が強制執行できる効力がありますので、調停後に支払いが滞った場合、債権者は訴訟を行わなくても給与等の差押えをおこなうことができるため、特定調停を利用しようとする際は、調停成立後も債務を継続して支払っていけるか事前によく検討することが必要です。

 特定調停のメリット

 特定調停の第一のメリットとしては、自分で比較的容易に申請でき費用も安く済むことです。
 申立ては簡易裁判所に備えている申立書に必要事項などを書き入れ、財産状況や権利者一覧表などの必要書類と共に提出すれば済みます。また、債権者との交渉も調停委員がおこなってくれますので専門的な知識が無くても大丈夫です。自分で申立てれば、費用も手数料(印紙代)と切手代だけですので、弁護士等に依頼する費用を考えると安く済みます。

 その他のメリットは以下の通りです。

  1. 解決までの期間が他の裁判所を利用した債務整理より早い(申立から1〜2ヶ月程度)
  2. 裁判所からの通知により債権者からの督促がストップする
  3. 債権者を特定した調停がおこなえる(住宅ローンを対象から外すなど)
  4. 財産を処分して債務整理する必要がない
  5. 調停手続き期間内は債権者へ支払いをしなくて良い
  6. 債務の原因が浪費やギャンブルでも利用できる
  7. 官報などに掲載されない 等

 特定調停のデメリット

  1. 調停成立後に支払いが滞ると、給与などが差押えられる場合がある
  2. 債権者と合意に至らない場合、特定調停が成立しない
  3. 特定調停を利用した場合、過払い金返還請求ができない
  4. ブラックリストに載り一定期間ローンやクレジットカードが利用できない
  5. 申立手続きに時間がかかるとその間、督促がストップしない 等


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